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複利運用のバックテスト

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世の中には、
たくさんのEAが売られています。

で、
そんな星の数ほどあるEAの販売ページの中には、
『複利運用のバックテスト』が掲載されている物があったりしますよね。

こんなヤツです。

わざと騙そうとしてるのか?
わざと分かりにくくしようとしてるのか?
沢山お金が増えて見えるように錯覚させようとしているのか?

ま、そんな事は知る由も無いんですが、
ホント『複利運用のバックテスト』って一向に世の中から無くならないです。

個人的には
『複利運用のバックテスト』は
見にくいので止めて欲しいと思ってるのですが。

まぁ、EA作るのはEA開発者なんで、
MM機能やらAutoLots機能やら、
EAにロットマネージメントの機能を付けるのは自由です。

それらの機能を使うか使わないかについても
ユーザー様の自由です。

ですけど個人的には
販売ページに掲載しているバックテストくらいは、
『単利バックテスト』にして欲しいと思ってます。

『複利運用のバックテスト』は、
本当に見にくいと思ってしまうためです。

例えばですが、

単利運用のバックテストでしたら
最大ドローダウンの数字を見れば、
「あぁ、このEAはこれくらい負ける可能性があるのね」
ってすぐに分かります。

しかし『複利運用のバックテスト』は
「最大ドローダウン」を見ても、
EAが持っているリスクが分からないです。

複利運用のEAは、
口座残高に応じてロットが増えていきますので、
バックテスト終盤に最大ドローダウンが発生するのが当たり前だからです。

ですが、
実は、口座残高の少ない運用ロットの小さい時に、
結構危ないドローダウンが起こっていたかもしれない訳です。

ですけど、

バックテストのグラフを見ると、
やっぱり最後の方のグラフの凹みが目立つので、
「お?ここが最大のヤバかった時かな?」って錯覚しちゃう訳です。

冒頭のバックテスト例に戻るんですが、
例えばこのEAの一番ヤバいドローダウンは、
赤丸のあたりで発生しています。

で、
何で先のバックテストについて、
『赤丸のあたりで一番ヤバいドローダウンが発生している』のが分かるのか?ですが、
バックテストの「相対ドローダウン」の数字を見たからです。

そもそも
『複利運用のバックテスト』では
「最大ドローダウン」がまったく参考になりませんので、
「最大ドローダウン」は見る必要=ゼロです。

で、
そういう時に見るのが、「相対ドローダウン」です。

「相対ドローダウン」は、
その時その時の口座残高に対するドローダウン%を表示してくれますので、

『複利運用のバックテスト』を見る時に限っては、
「相対ドローダウン」を見る方が、
全体に対して平等に見ることが出来ます。

 

例えば、
口座残高100万円の時に0.1ロットでエントリーし、
その時のドローダウンが50万円だったら、
50万円÷100万円=50%になります。

この「50%」が相対ドローダウンです。

また、
口座残高200万円の時に0.2ロットでエントリーし、
その時のドローダウンが50万円だったら、
50万円÷200万円=25%になります。

この「25%」が相対ドローダウンです。

ドローダウンの金額はどちらも50万円ですが、
資金の50%が減ったのと、資金の25%が減ったのでは
意味合い的にぜんぜん違います。

口座残高100万円の時には
「その半分がドローダウンになっていた」という事ですので、
こっちの方が、断然ヤバいという事になります。

例え、
口座残高500万円の時に0.5ロットでエントリーし、
その時のドローダウンが100万円だったとしても、
100万円÷500万円=20%ですので、

やっぱり、
口座残高100万円の時に、
50万円のドローダウンが発生する方がヤバかったという事です。

口座残高に応じてドローダウン%が計算されますので、
ロットが増えていく『複利運用のバックテスト』は、
「相対ドローダウン」を見るべきなんです。

で、
さっきのバックテストに戻ります。


相対ドローダウンは23.45%です。

つまりは、
このEAを運用すると、最大にヤバい時には、
口座残高の23.45%のドローダウンが発生したという事です。

例えば口座残高100万円の時に、
約23.45万円のドローダウンが発生するかもしれなくて、
76万5千円くらいになるかもしれないという事ですね。

このように、
複利のバックテストがあった場合は「相対ドローダウン」を見るようにしましょう。

口座残高に応じてロットが変動してしまいますので、
「最大ドローダウン」を見ても何の参考にもならないのです。

例えば。

以下の販売されているEAも、
複利運用のバックテストが掲載されています。

得られた純益=922万円に対して
最大ドローダウン=74万円ほどですので、
何だか凄いバックテストに見えますが、

『複利運用のバックテスト』ですので、最大ドローダウンは参考になりません。

↓↓↓

相対ドローダウン=17.57%と書かれている方を
参考にすべきです。

ちなみに、
『複利運用のバックテスト』の相対ドローダウンについて、
それが「いつに発生したか」を知る方法があります。

例えばさっきの販売されているEAですと、

372478.30円÷17.57%
=2,119,967円

となり、
口座残高=211.9万円の時に、
一番ヤバいドローダウンが起こったことが分かります。

ですけど、
バックテストを見てもらったら分かるんですが、
それが発生しているのは200トレード目くらいの初期段階です。

グラフを見ても、
その時がヤバかったか?なんてさっぱり分からないですよね(汗)

↓↓↓

『複利運用のバックテスト』は、
グラフがさっぱり参考にならなくて視覚的に優しくないので、
個人的には嫌いです。

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